コットンの綿毛はなんのためにあるの?

今日はコットンのお話です。

 

コットンの綿(ワタ)ってなんのためにあるの?

私たちはコットンのワタ毛を利用して衣服や布団をつくっています。
しかしコットンの綿毛は人間に利用されるために生まれてきたものではないです。
では何のためにあんな不思議なものがあるのでしょう。

まずコットンの実の構造についてご説明します。

綿毛はコットンの実であるコットンボールが成長し、乾燥して割れた中から出てきます。
その綿毛の中にコットンの種が包まれています。 


コットンボールが乾燥し中から綿毛が出てきます


コットンボールから綿毛を取り出した中に種があります



綿毛は種を中心に放射状に生えています


この綿毛、実は何のためのものかよくわかっていないのですが、より広範囲に種を運ぶための仕組みだと言われています。
しかし長距離を風に運んでもらうには大きすぎるし、鳥が食べることができない綿をどのように運ぶのでしょうか。

コットンは海を渡る

ハワイ島のような海に囲まれた島にも野生のコットンがあることから、綿は海を渡り、流れ着いた土地で進化したと言われています。
また南米原産の綿はペルーの海外沿いの砂地に生えていることから、北向きに流れる海流に乗り北上したと考えられ、その範囲は中央アメリカまで続いています。

このようにコットンは海を渡り新たな土地を求めるため綿毛を持っているのです。

 元々海を渡るための綿毛だったものが、やがて人間が利用する、という特徴を得て世界中に広まりました。これはコットン本人たちも予想外ですね。
私の育てている品種も南米原産のものなのですが、まさかこのコットンも島根県で育てられることになるとは思ってもいなかったでしょう。

コットンは非常に強いフロンティア精神を持っている植物です。